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飲食業におけるアルバイトの時給設定に関する労務課題の解決事例

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現状の労務の課題

ある飲食店(法人:従業員数15人)は、アルバイトの時給設定について問題を抱えていました。この会社では、アルバイトの労働時間が毎日17時から23時までの6時間、時給単価は基本が900円、繁忙時間帯である18時から22時の間は1050円とする予定でしたが、このような時間帯によって賃金単価も変更となる制度は労働基準法に準拠しているかどうか不安を覚えていました。

社労士事務所からの提案内容

時間帯による賃金単価が変動するシステムは、一般的ではないものの、労使合意のもとで適正に成立していれば可能です。具体的には、次のとおりです。
労働契約上の単価が900円であり、繁忙時間帯を1050円にすることは通常の賃金より有利な変更となるため、法律的には問題ありません。一方で、元々1050円の時給だったものを仕事が少ない時間帯に900円に引き下げることは、労働条件の不利益変更にあたるため認められません。
また、この制度は給与計算が複雑になりかねないため、会社側としてはその計算上の煩雑さを受け入れる必要があります。実際の運用では多くの管理業務が発生し、コストが高くつく可能性があるため、慎重に検討する必要があります。

結果

最終的に、次の理由から、時間帯別支給制度の導入を見送り、基本時給を1050円に設定してアルバイトを募集することに決めました。

① アルバイトの給与計算は現在、タイムカードとExcelにて行っており、給与管理が煩雑となること。
② 最低賃金を基本時給とする募集ではインパクトがなく、応募がほとんどないことが予想されたこと。
③ 深夜時間帯となる22時以降の勤務を免除して、22時に業務終了となるようシフトを組んだこと。

結果として、応募が増加し、質の高い人材を確保することができました。

本件のポイント

今回は、事業主がインターネットから拾った情報をもとに時間帯別の時給単価変動制の導入を検討されていましたが、当事務所がその制度導入のメリットデメリットをお伝えし、社長の判断基準を提供できたこと、又これに基づいて社長が真剣に問題と向き合っていただけたことが解決要因だと考えています。

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