石川県で助成金に強い社会保険労務士事務所リジョイス/創業15年超

労務管理体制の確立により従業員の帰属意識が向上し、優秀な人材確保に成功した石油販売店の事例

石川 金沢 富山 社労士 助成金 401k 人事 労務管理

現状の労務の課題

ある石油販売店では、従業員数が10名という小規模ながらも、正社員、契約社員、嘱託社員、パートなど、様々な雇用形態の従業員が在籍していました。しかし、このような多様な雇用形態にもかかわらず、それぞれの雇用形態に応じた労働時間や休日日数などの基本的な労働条件(労働時間や休日日数等)が明確に定められていない状況でした。このため、次のような問題が発生していました。

●労務管理の煩雑化:労務管理が煩雑になり、管理者が個別対応に追われる状況でした。
●従業員間の不公平感:労働者間で不公平感が強まり、労働意欲やモチベーションの低下が見られました。
●未払賃金の発生:労働時間や給与計算の基準が曖昧であったため、未払賃金が発生することがあり、従業員からの信頼が揺らいでいました。
このような課題を解決するために、社労士事務所の専門知識が求められました。

社労士事務所からの提案内容

社労士事務所は、石油販売店の現状を改善するために、以下の6つのステップを提案しました。

1. 現状把握のための徹底したヒアリング

まず、社労士事務所は、現状の問題点を正確に把握するために、経営者および全従業員からの詳細なヒアリングを実施しました。ヒアリングの際には、次のような点を重点的に確認しました。

●各従業員の現在の労働条件(労働時間、休日日数、給与体系など)
●労務管理に関する現在のルールや実務上の問題点
●従業員の労働に対する満足度や不満点
●過去に発生した労務トラブルの事例
このヒアリングにより、現状の問題点を具体的に洗い出し、課題解決のための基礎データを収集しました。

2. 雇用形態区分の確立

ヒアリング結果に基づき、各雇用形態の区分を明確にしました。具体的には、正社員、契約社員、嘱託社員、パートそれぞれに対して以下のような労働条件を定義しました。

●労働時間:各雇用形態ごとの1日、1週の労働時間を明確に設定。
●休日日数:年間の休日日数や、有給休暇の取り扱いについて明確に定めました。
●給与体系:基本給、残業手当、各種手当の算出方法を明確にし、給与計算の基準を確立しました。
このように、各雇用形態に応じた労働条件を明確に定義することで、労務管理の基盤を整えました。

3. 現存従業員の雇用形態の再分類

確立した雇用形態区分に基づき、現存の従業員をそれぞれ適切な雇用形態に再分類しました。これにより、従業員一人ひとりの労働条件が明確になり、不公平感の解消を図りました。具体的には、次のステップで再分類を行いました。

各従業員の現状の労働内容と、定義した雇用形態のマッチングを行い、適切な区分に振り分けました。
振り分け後の労働条件を従業員に説明し、納得のいく形で労働契約を締結しました。

4. 各従業員の労働条件の確認

再分類後、各従業員の労働条件を改めて確認し、労使双方が納得のいく形に整備しました。これには、次のような作業が含まれました。

●各従業員との個別面談を実施し、新たな労働条件について詳細に説明しました。
●労働条件に対する従業員からの質問や要望を受け入れ、必要に応じて柔軟に対応しました。
●労働条件に関する書面を整備し、従業員に対して正式な労働契約書を交付しました。

5. 各従業員の1時間単価の算出

給与計算の透明性を高めるために、各従業員の1時間単価を算出しました。これにより、労働時間に応じた適正な給与が支払われるようになり、未払賃金の発生を防止しました。

6. 就業規則の作成

以上の情報を基に、従業員全員が納得し遵守できるような就業規則を新たに作成しました。就業規則には、次のような項目を含めました。

●労働時間、休日日数、有給休暇の取り扱い
●給与体系、各種手当、賞与の算出方法
●労働条件の変更手続き
●労務トラブルの対応方法

このように、従業員にとって分かりやすく、かつ実践的な就業規則を整備することで、労務管理の透明性と信頼性を高めました。

解決後の結果

社労士事務所の提案を実施した結果、石油販売店では以下のような成果が得られました。

1. 未払賃金がなくなった

明確な労働条件の設定により、未払賃金が発生することがなくなりました。これにより、従業員からの信頼が回復し、労働環境の改善が実現しました。

2. 従業員の会社に対する帰属意識が高まった

公平で透明な労務管理体制が従業員の信頼を得ることに成功し、会社に対する帰属意識が向上しました。従業員は、自分の労働条件が明確になり、公平に扱われることに満足感を持ちました。

3. 募集時と採用時のミスマッチがなくなり、良い人材が集まるようになった

明確な労働条件が採用プロセスの透明性を高め、ミスマッチが減少しました。結果として、募集時に応募者が増え、より良い人材が集まるようになりました。これにより、会社の成長と発展が促進されました。

本件のポイント

本件の成功の鍵は、経営者の労務管理体制の確立に対する強い意欲と、それを成し遂げようとする熱意にありました。徹底したヒアリングと精緻な労務管理の導入により、従業員の信頼を得ることができ、労務管理の問題を根本から解決することができました。

経営者が労務管理の重要性を深く理解し、専門家の助言を受け入れて実践したことが、今回の成功に繋がりました。また、従業員の意見を積極的に取り入れ、労働条件の改善に努めたことも重要な要素でした。

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