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【建設業対応まとめ】建設業の2024年問題とは?労務管理の専門家である社労士が解説!

2024.03.10 コラム事務所通信
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建設業の2024年問題とは

建設業の2024年問題とは、建設業においても時間外労働の上限規制が適用されることを受け、労働環境の変革が求められている状況のことです。この問題は、2024年4月までに解決しなければいけなく、その背景には「働き方改革関連法」があります。この法律は2019年4月に施行され、大企業では既に適用されていますが、建設業界では医療業や運送業とともに5年間の猶予期間が設けられています。これは、高齢化や人材不足による長時間労働の慢性化など、労働環境の悪化が顕著であったためです。

建設業は、この問題に対処するために早急な取り組みが必要です。働き方改革関連法の適用が始まる前に、労働環境の改善に向けて積極的な取り組みを行う必要があります。

働き方改革関連法の内容や変わること

建設業界における働き方改革関連法の適用により、時間外労働の規制が強化されます。これは、従業員の健康や労働環境を守るための措置であり、労働時間の適正化を図ることを目的としています。

具体的には、1ヶ月あたりの時間外労働は原則として45時間を超えることはできません。また、1年間の時間外労働は360時間が上限とされます。これらの基準を超えた場合、事業所は違反とされ、罰則が科される可能性があります。

ただし、災害時の復旧や復興事業など、特別な状況下ではこの制限が緩和されることがあります。その際には、建設業界でも事前に特別な協定や手続きが必要となります。

さらに、時間外労働を行う際には、労働基準法に基づく労使協定(通称「36協定」)の締結と労働基準監督署への届け出が必要です。これらの手続きを行わない場合、法令違反となり、罰則が課されることになります。

建設業の働き方改革が求められる背景

建設業で働き方改革が求められる理由を、3つのポイントでわかりやすく説明します。

長時間労働の課題

建設業では、年間実労働時間が長いことが課題です。国土交通省の資料によると、2021年度の建設業の年間実労働時間は1,978時間で、製造業の1,874時間や調査産業の1,632時間と比べても長いことが分かります。この長時間労働を改善する必要性が、2024年問題の対応に向けて重要です。

人手不足の深刻化

建設業では人手不足が深刻化しています。建設業の就業者数は1997年に比べて約29%も減少しており、人手不足が問題となっています。この人手不足を解消するためにも、労働環境の改善が必要です。

就業者の高齢化と若手人材の不足

建設業では、就業者の高齢化と若手人材の不足も課題です。2021年の建設業就業者のうち、55歳以上が35.5%を占める一方で、若手人材は全体の約1割しかいません。高齢の人材が引退する一方で、次世代を担う若手人材の不足が懸念されています。労働環境の改善によって、若手人材を確保しやすい環境を整えることが求められます。

引用元:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

2024年までに建設業が取り組むべきこと

2024年までに建設業が取り組むべき主な項目を詳しく説明します。

長時間労働の是正

長時間労働は労働者の健康や生産性に悪影響を与えるため、是正が必要です。具体的には、週の労働時間を制限し、定期的な休息を確保する週休2日制の導入が重要です。さらに、残業時間の削減や労働時間の柔軟な管理を行い、労働者のワークライフバランスを改善します。

ITツールの導入

ITツールの導入により、建設業の業務効率化が図れます。例えば、建設クラウドERP(企業リソースプランニング)システムを活用することで、プロジェクトの進捗管理や資材の調達、作業員のスケジュール管理などが効率的に行えます。これにより、情報の共有や作業の効率化が促進されます。

福利厚生の充実

福利厚生や各種手当の充実は、労働者の生活や労働環境の改善につながります。具体的には、健康保険や厚生年金の加入、住宅手当や家族手当の提供、教育支援制度の整備などが挙げられます。これらの福利厚生制度を整備することで、労働者の働きやすさや安心感が向上し、企業の離職率の低下にもつながります。

以上のような取り組みを通じて、建設業界はより持続可能な労働環境を整備することが求められます。

まとめ

建設業においては、2024年問題ともいわれる働き方改革関連法のひとつ「時間外労働の上限規制」の猶予期間が終了し、2024年4月から規制が適用されます。建設業は働き方改革関連法の適用までに、労働環境改善に早急に取り組まなければなりません。

人材不足や長時間労働といった建設業が抱える問題を解決するべく、国土交通省は労働時間の管理やキャリアアップシステムなど具体的な対策を提示・推進しています。

技術の担い手確保だけでなく、省人化による業務の効率化および生産性の向上を図ることが重要です。対応にお悩みの方は、社会保険労務士事務所リジョイスにご相談ください。

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